「ヒールは?気に入ったか?」
突然の質問モードに狼狽えた。
「履いてないんだな。次はドレスをプレゼント
しよう。もし、無くしたり奪われたりしたらまた、
プレゼントしてやるからそれを身につけ、
古臭い商売を捨てて舞台へ施してほしい──」
とチケットを渡され、懇願される。
私に美は感じられなかった。艶のない髪、
乱れた汚れが所々にみられる服、
ノーメイクの私にこんな神様から待遇を
プレゼントされるなんて──。
大概にしてほしい。騎士は
また現れた。ドレスはどうした、と言われ
売りには出さず部屋の隅に飾ったまま、
全身鏡に映ったドレスを試着した姿を
みたことはない──と。



