担降りしたはずの推しが、隣に引っ越してきました

「報道は嘘じゃないんだ。」
胸が締め付けられる。
「少なくとも、俺はそういう気持ちで彼女に接してた。」
相手は、デビュー前から自分たちを支えてくれていたスタッフだった。
彼女を信頼していた。
いつしか、1人の女性として好きになった。
愁は静かに、当時の思いを確認するように語った。
「事務所の社長には、大事な時期に何考えてるんだって、彼女とは距離を置くように言われた。でも俺は納得できなくて。あの日、半ば強引に彼女を呼び出して……撮られた。」
報道が出たあと、SNSはかなり荒れていた。愁だけじゃなく、相手の女性へのバッシングもかなり酷かった。
「彼女は事務所を辞めて……」
そして、ほとぼりが冷めるのを待っている間に──
「いつのまにか、彼女は別の人と結婚してた。」
美咲は何も言えなかった。
愁は笑った。