可愛い。
無意識にそう思っていた。
「危ないから、もう少し近づいて」
そう言うのは、ただただ近づいて居たかったからかもしれない。
「顔赤いぞ。大丈夫か?」
近づきながら聞く。
アイはさらに赤面させながら俯く。
そして…………
「……っ!だ、大丈夫だから!これ以上近付かないで!」
………そ、う言った。
しばらく、声が出せなかった。
視界から色が消えていく。
「…………あっそ」
なんとか絞り出した声が、それだった。
ショックを受けていることをアイに知られたくなくて、素早く自室に戻る。
…………アイも悲しいような、傷ついたような、そんな表情をしていたことを知らずに。


