少女の名前をアイだと知った。
アイは少し不器用で、いつも誰かのために動いているような優しい子だ。
いつも俺のことを気にかけてくれる。
…………氷王子とも呼ばれている俺を。
幼い頃から、あまり笑う方ではなかった。
貴族で、それなりに身分は高いので仲良くする人も限られる。
でも、心から笑ったことは無かったかもしれない。
使用人も、今では誰一人と居ない。
アイが来てから。
無駄に広い屋敷が、明るく色付いた。
いつも笑顔なアイを見ると、自然と笑顔になっていた。
雪も溶けてしまいそうなほど、温かい。
こんなことは生まれて初めてだ。


