恋は目をそらしたその先に ー夏祭り編ー

「……ありがとう。」


やっとのことで返した声は、自分でも分かるくらい小さかった。


「髪も、いつもと違う。」


「……変?」


「いや。」


りくは少し考えるように視線を上げて、


「なんか……新鮮。」


その言葉に、ゆいの頬がまた熱くなる。


「りくも……今日、なんか違う。」


「俺?」


「うん。私服だからかな。」


学校ではいつも制服姿しか見ない。


だから、私服のりくを見るだけで、少し遠いところにいる人みたいに感じた。


白いTシャツに薄い色のシャツを羽織っていて、いつもより大人っぽく見える。