恋は目をそらしたその先に ー夏祭り編ー

「何回?」


「……数えてない。」


「絶対結構見てるじゃん。」


「りくは?」


「俺も数えてない。」


二人で笑った。


少し歩いたところで、りくがスマホを取り出した。


「そういえば。」


「なに?」


「昨日の写真、もう一枚送る。」


「まだあるの?」


「ある。」


画面に表示された写真には、花火を見上げるゆいの横顔が写っていた。


「……いつ撮ったの?」


「花火のとき。」


「私、全然気づかなかった。」


「すごい真剣に見てたから。」


ゆいは写真を見つめた。


自分では気づかなかった表情。


頬に花火の光が映っている。


「……なんか、恥ずかしい。」


「俺は好きだけど。」


「……え?」


ゆいの足が止まった。


りくも少し先で立ち止まる。


「写真の話。」


「……びっくりした。」


「何想像したの?」


「してない!」


りくが笑う。


「顔赤い。」


「暑いだけ。」


「昨日もそれ言ってた。」


「だって暑いんだもん。」


「はいはい。」


笑いながら、また歩き出す。


けれど。