恋は目をそらしたその先に ー夏祭り編ー

そして、その二人を包む夏の夜。


「……これ、いいね。」


ゆいが画面を見ながら言う。


「うん。」


りくも頷いた。


「送る。」


「ありがとう。」


写真が送られてくる。


ゆいはそれを大切そうに保存した。


駅の明かりが見えてくる。


「じゃあ、ここで……。」


ゆいが言いかける。


けれど。


りくはまだ手を離さなかった。


「……りく?」


「もうちょっとだけ。」


「え?」


「駅着くまで。」


そう言って、りくは繋いだ手を少しだけ握り直した。


ゆいは何も言わず、その隣を歩いた。