恋は目をそらしたその先に ー夏祭り編ー

ゆいは少し考えた。


りんご飴。


射的。


風船。


花火。


どれも楽しかった。


「……全部。」


「全部?」


「うん。」


ゆいは少しだけ笑った。


「りくと一緒だったから。」


言ったあと、恥ずかしくなって視線を落とす。


けれど、今度は逃げなかった。


りくは何も言わない。


「……?」


ゆいが顔を上げると、りくは少し困ったように笑っていた。


「それ、ずるい。」


「え?」


「今日、何回俺を照れさせる気?」


「……知らない。」


「俺だって結構恥ずかしいんだから。」


「りくが?」


「俺が。」


そう言って、りくは笑った。