恋は目をそらしたその先に ー夏祭り編ー

今日一日のことが、次々と思い出される。


待ち合わせで見た、りくの顔。


「似合ってる」と言ってくれたこと。


屋台で笑ったこと。


射的で取ってくれた小さなクマ。


そして、ずっと繋いでいた手。


どれも特別なことではないのかもしれない。


けれど。


好きな人と一緒だっただけで、全部が特別になった。


「ゆい。」


「……なに?」


りくがこちらを見る。


「今日、一番楽しかったのどこ?」


「え?」


「祭り、いろいろ行ったじゃん。」