恋は目をそらしたその先に ー夏祭り編ー

第5話「花火のあとで」


最後の花火が、夜空いっぱいに広がった。


大きな光が一瞬だけ夜を照らし、遅れて響いた音が、胸の奥まで震わせる。


そして、それが消えると。


さっきまであれほど賑やかだった境内が、少しだけ静かになった。


「……終わっちゃったね。」


ゆいが空を見上げたまま呟く。


「うん。」


隣にいるりくも、同じように空を見ていた。


そこにはもう、何も残っていない。


ただ、薄く煙が漂っているだけだった。


なのに、ゆいの胸にはまだ花火の余韻が残っていた。