恋は目をそらしたその先に ー夏祭り編ー

祭りの音が遠くなったような気がした。


胸の奥だけが、やけに騒がしい。


「……そういうこと、普通に言うのずるい。」


「何が?」


「……なんでもない。」


ゆいは風船で顔を隠した。


りくはそんなゆいを見て、楽しそうに笑っている。


しばらくすると、境内の中央に人が集まり始めた。


「何だろう?」


「花火じゃない?」


りくが空を見上げる。


まだ何も上がっていない。