恋は目をそらしたその先に ー夏祭り編ー

第4話「人混みの中で」


夜は、いつの間にか深くなっていた。


さっきまで青さを残していた空は、すっかり濃い藍色に染まっている。


屋台の明かりが道を照らし、人の声と祭囃子が重なって、神社の境内は昼間とはまるで違う場所になっていた。


「人、増えてきたね。」


ゆいがそう言うと、りくは周りを見渡した。


「ほんとだ。」


さっきまで普通に歩けていた道も、今では人の肩が触れ合うほど混んでいる。


ゆいは、繋いでいた手に少しだけ力を込めた。


その瞬間。


後ろから来た人に肩がぶつかり、二人の距離が離れかけた。