恋は目をそらしたその先に ー夏祭り編ー

りくがかじる。

ぱりっとした飴の感触がきこえてきた。

「おいしい。」

「でしょ。」

「ゆいも食べる?」

「たべるー」

りくが少しだけ笑って

りんご飴をさしだす。

ほんの一瞬。

指先が触れた。
それだけなのに、ゆいの心臓はまた大げさなくらいに跳ねた。

「……顔赤くない?」

「赤くない。」

「赤いけど。」

「祭りだから暑いの!」

「そっか。」

絶対、分かってる。

そう思いながら、ゆいは少しだけ顔を背けた。

けれど。

繋いでる手だけは、離さなかった。


しばらく歩くと、射的の屋台が見えてきた。

「ゆい、やってみる?」

「射的?」

「うん。」
「私、絶対下手だよ。」

「大丈夫。俺がいるから。」

その言葉に、ゆいは思わず笑った。

「じゃあ、やってみる。」

台の前に立ち、銃を構える。

狙うのは、小さなクマのぬいぐるみ。

「これ欲しい。」