恋は目をそらしたその先に ー夏祭り編ー

「じゃあ、りんご飴。」

「意外。」

「なんで?」

「ゆい、こういうの選ばなそう。」

「……なんとなく食べてみたくなったの。」

りくは「じゃあ行こ」と言って、屋台へ向かった。

赤いりんご飴が、提灯の明かりを受けてきらきらと光っている。

ゆいは一番小さなものを選んだ。

「はい。」

「え?」

「持つの大変そうだから。」

りくがにもつをもってくれた。

「ありがとう。」

「どういたしまして。」

二人で歩きながら、ゆいはりんご飴を眺める。

その横で、りくが突然言った。

「一口ちょうだい?」

「……え?」

「だめ?」

「どうぞ。」
差し出したりんご飴を見て、ゆいは固まった。

「……。」

「?」

「……恥ずい。」

「なんで?」

「なんでって……。」

付き合ってから、まだそんなに時間は経っていない。

手を繋ぐだけでも緊張するのに。