恋は目をそらしたその先に ー夏祭り編ー

「はぐれたら困るから。」


そう言っているのに、りくの表情も少しだけ照れている。


ゆいはその手を見つめる。


去年の自分なら、きっと逃げていた。


目が合うことさえ怖くて。


好きだと思うことさえ、どこか遠慮していた。


でも今は違う。


ゆいは小さく息を吸って、


そっと、その手を重ねた。


「……うん。」


触れた指先から、じんわりと温かさが伝わってくる。