恋は目をそらしたその先に ー夏祭り編ー

ゆいが思わず呟く。


「人、多いな。」


「はぐれそう。」


「じゃあ、ちゃんと俺の近くにいて。」


「……うん。」


その言葉だけで、心臓がまた少し速くなる。


人混みの中へ入る前に、りくが一度立ち止まった。


そして、ゆいを見る。


「ゆい。」


「なに?」


「……手。」


りくが差し出した手を見て、ゆいは目を丸くした。


「え……?」