加納欄のオレオレ詐欺

「三千万? ホントか?」

『………いや、あの……』

「どした? ホンマはいくらなんや?」

『…………』

「誰に脅されとるんや?」

欄は婆ちゃんの横で、じっと受話器を見つめていた。

そして。

婆ちゃん演技うますぎる。

と、感心もしていた。

大山と高遠も黙ったまま耳を澄ませる。

『こ、黒龍会っていう……ヤクザなんや、………俺……』

その言葉に、三人の表情が変わった。

婆ちゃんは欄たちをちらりと見る。

「何も言わんでええ」

『え?』

「ホントはいくら必要やったんや?」

一瞬、電話の向こうが静かになった。

すると。

『もしもし』

さっきまでとは違う男の声が聞こえてきた。

『お宅の息子さん、うちの会社のポルシェに思いっきりぶつかってきて、おじゃんですよ。その修理代を全額出していただければ』

婆ちゃんは黙って聞いている。

『一億で、手を打ちましょうか?』