加納欄のオレオレ詐欺

婆ちゃんが受話器へ手を伸ばした。

欄がすぐに人差し指を口元に当てる。

高遠と大山も、電話を切るなと合図を送った。

吉井さんが、受話器を上げるタイミングをみた。

婆ちゃんは三人を見て、小さく頷く。

そして、OKサインを出した。

「はい、もしもし」

『婆ちゃん? 俺』

「おお、どした?」

『今、大変なことになっちゃって、助けてもらいたいんだ』

「どした?」

『一千万必要なんだ』

「一千万?」

婆ちゃんは一瞬、黙った。

欄たちが息を潜める。

「そんなはした金でええのか?」

『えっ?』

「ウソついとらんか? 脅されてないか?」

『そ、それじゃあ……』

電話の向こうで男が明らかに動揺した。

『に、さ、三千万!』