加納欄のオレオレ詐欺

「それで、いくら必要なんや?」

『それは……また電話するから』

「そうか。わかった」

ガチャン。

受話器を置いた婆ちゃんは、メモをじっと見つめた。

「大変なことになったのぉ……」

その時だった。

ピンポーン。

玄関のチャイムが鳴った。

「はいはい」

メモを握ったまま玄関へ向かい、扉を開ける。

「婆ちゃん、久しぶり」

「…………」

「ん?」

「…………」

目の前にいるのは、さっき電話をかけてきたはずの孫。

「な、なんでお前がここにおるんじゃあ!」

「え?」

婆ちゃんは、その場で腰を抜かした。

「婆ちゃん!?」

「お、お前……さっき電話……!」

「電話?」

孫は婆ちゃんの握っているメモを見た。

「だから、婆ちゃん、気をつけろって、言ってただろ?これオレオレ詐欺だって!」

「バカモン! ホンマに最初はお前の声に似とったんだわ!」