『幼馴染と同居はじめました。』〜蒼空〜

「……迷惑じゃない」 

気がつけば、本音が勝手に口から溢れていた。

『え?』

「別に、お前なら迷惑じゃない。……むしろ、来てくれた方が嬉しい」 

声が震えないよう、必死に喉を締め付けて、いつものクールな幼馴染を装う。 

お前がいない部屋は、寒くて耐えられそうにないんだ。

『そ、うなの? 蒼空が良いなら、俺は助かるけど……』

「うん。楽しみにしてる。……じゃあな」 

ぷつり、と通話を切った瞬間、俺はスマホをベッドに投げ出して自分の顔を両手で覆った。 

バカか、俺は。

諦めるんじゃなかったのか。 

これから毎日あいつの顔を間近で見て、同じ空間で過ごすなんて、自分で自分の首を絞めるようなものだ。 

熱くなった顔が、いつまでも冷めてくれなかった。