高校の入学式を間近に控えた、三月の終わり。
新しく借りた一人暮らし用のワンルームマンションで、
俺──瀬名蒼空(せな そら)は、荷解きの途中で母親からの電話に出ていた。
『──あ、そうそう蒼空。言い忘れてたんだけどね。お隣の一ノ瀬さんちのご夫婦、来月から急に海外赴任が決まったのよ』
「え? 陽向の親が?」
『そうなの。それでね、陽向くんを一人にするのは心配だからって話になって……。蒼空のマンション、部屋が二つあるじゃない? 』
『だから、陽向くんも一緒に住まわせてもらうことになったから。手続きはもう全部済ませてあるわよ〜』
「は……? ちょっと待て、どういうこと──」
『あ、ごめん!買い物行かなきゃ! 陽向くんによろしくね!』
ツーツーと無機質な音が響くスマホを握りしめたまま、俺の思考は完全に停止した。
「陽向が……俺の部屋に、引っ越してくる……?」
新しく借りた一人暮らし用のワンルームマンションで、
俺──瀬名蒼空(せな そら)は、荷解きの途中で母親からの電話に出ていた。
『──あ、そうそう蒼空。言い忘れてたんだけどね。お隣の一ノ瀬さんちのご夫婦、来月から急に海外赴任が決まったのよ』
「え? 陽向の親が?」
『そうなの。それでね、陽向くんを一人にするのは心配だからって話になって……。蒼空のマンション、部屋が二つあるじゃない? 』
『だから、陽向くんも一緒に住まわせてもらうことになったから。手続きはもう全部済ませてあるわよ〜』
「は……? ちょっと待て、どういうこと──」
『あ、ごめん!買い物行かなきゃ! 陽向くんによろしくね!』
ツーツーと無機質な音が響くスマホを握りしめたまま、俺の思考は完全に停止した。
「陽向が……俺の部屋に、引っ越してくる……?」



