昏い眼差し

彼女は奇しくも壇上に呼ばれ南瓜の馬車に乗ってステージ袖で用意された普段着に身を包み、裏口から退場。



「あの赤い染みをリボンで誤魔化すなんて…里穂(リホ)。貴方ってお人好しが過ぎない?パーティーの主役は私なのよ!?」



怒る気持ちもわかる。けれどあの潔白な彼女を傷つけておいてほっとくなんてできやしなかった。美しく、滑らかで艶のある髪をしてたし、目が嘘をつかない貫く信念を感じさせられたから。


共犯としても、みっともないことをしてるのは、夫のいる彼女、莉嘉(リカ)の方だから。いきなり身元不明な彼が現れ、ダンスで会場を魅了、手品でも素晴らしいと恰幅のいい社長を務める男性に褒められ、手を貸す一面が垣間見えた瞬間、会場は一体化した。その後雑多ななか女性の手が招かれると、委ねた水準を超え、四方八方意見が飛んだ。が、彼と彼女が楽しそうに社交ダンスしてるのをみると応援したい気持ちに式場が盛り上がった。