先生の横には、インストラクターのコーチが立っていて。
…しかも綺麗な女の人。
ちょっとだけ先生よりは、若く見えた。
また、まただよ。
私はこんなに嫉妬してしまう自分に、最近びっくりしている。
入学当初よりも…先生を独占したいって思うようになってしまって。
「今からリフトで順番に上に上がるように。そのあとコーチから説明があります。」
先生の言葉でぞろぞろとリフトに並ぶ生徒たち。
「美咲!一緒に乗ろうぜ〜」
「あ、うん…でも」
リフトは2人乗り。
早坂くんに誘われた美咲は、私の事を気にしてくれていたのだ。
「私のことは気にしないで?ほら、二人で乗ってきてよ~!」
「神崎は俺と乗ろ?」
明るく美咲に声をかけた瞬間に、後ろから耳元で囁かれた私は驚いた。
「…!朝倉くん、び、びっくりしたぁ…」
『祐奈ありがとう』っていいながら前のリフトに乗っていった美咲と早坂くん。
私は必然的に、朝倉くんとリフトに乗ることに。
後ろから進んできたリフトに腰掛けた瞬間。
「うわぁ!…ご、ごめん」
ちょっと足元が滑ってよろけた私の腕を、ひょいっと支えてくれた。
「滑るから、気を付けて。」
それにしても…ち、ちかくないですか…
紳士的に助けてくれた朝倉くんと、狭いリフトで密着していて。
朝バスの中で言ってた美咲の言葉を思い出してしまった。
”告られてんじゃん”のひとこと…。
「神崎、スキーやったことある?」
「…あ、ううん、まったくないよ。」
ただでさえ近いのに、こっちをみて顔を近づけて聞いてくる朝倉くん。
早くリフトから降りたいよ。
なんだか距離が近すぎる…。



