「……うん?」
白石くんは平然としてる。
でも今、すごいこと言ったよね?
名前呼び? むしろ、して欲しかったぐらいなんだけど。
「ダメ?」
演技みたいな、分かりやすいうるうるの目で訴えてくる。
好きな人のこんな顔みて、断れる子いる?
………いないよね。
「ダメじゃないよ」
「うん! じゃあこれからは、『未空』だね」
え、呼び捨て?
ていうか、白石くんって大人気のお人だったよね?
明日から、大丈夫かな
一人でもんもんと悩んでいると、白石くんは、
「俺のことも、名前で呼んで?」
って、さらに距離を縮めてくる。
「…うん。莉都くん?」
恥ずかしさで顔が赤くなる。
白石くんは、またいたずらっ子みたいに笑う。
「もー、さっきから白石くん、いたずらっ子みたい!」
って言ってみると、
「はは、ごめんごめん」
ってさわやかに笑う白石くん。
「ていうか、もう名字呼びに戻ってない?」
「あ〜。確かに? 慣れないからなぁ」
ずっと白石くんだったから、すぐには変わんないな。
「……まあ、たまにでいいよ」
少しムッとした雰囲気を感じなくもないけど、お言葉に甘えて、慣れるまで待っててもらおう。
