両想いって、奇跡です!

「夏希〜。 私、気になる人できた!」


夜、親友の夏希(なつき)と電話中に、私・穂高未空(ほだかみく)は新しい恋を打ち明けた。


「お、ほんと? 何かあったの?」

「今日、先生に頼まれちゃって、大量のプリント運ばされてたんだけど、

そしたら白石くん来て、『それ、俺持ってくよ』って! そこそこ重かったから、ほんとに助かった」


白石くんっていうのは、白石莉都(しらいしりと)で、私たちが通う学校で1番人気の男の子だ。


「へえ。白石は人気者だし、叶えるの大変そうだね、でも、未空、チョロい。白石は大体誰でもやるぞ?」


夏希は呆れたような声で言った。


「それでも、優しくしてくれたのは事実!」

「まあでも、失恋は新しい恋で上書きしろってよく言うもんね」


私の心に、嫌な思い出が蘇る。


「へへ、まあ そうだね。あれはもう忘れて、今度はちゃんとアピールしてみようと思うんだ」


私のその言葉で、夏希のテンションは一気に上がったみたいだった。


「未空もついにそこまで来たんだね! 私が全力でサポートするよ」


夏希は明るくて友達が多い。

内向的で友達もそこまで多くない私にとっては、自慢で憧れの親友だ。

動画でそういうのをよく見ているらしくて、恋愛テクニックに詳しい。

よく、いろんな人にアドバイスしているのを見る。


「とりあえず、明日の席替えは重要ね。未空、人に囲まれてる白石に話しかけるの、絶対無理そう」

「さすが、夏希。よく分かってる」

「ま、親友だし?」


「それでさ、明日の理科なんだけど……」

そこまでで話は終わって、また新しい話題へと移っていった。