ある日、図書室に行くと、いつもは誰もいないのに、人の気配がした。
気配って言っても、紙の擦れる音がしてるだけだけど。
本を読んでるにしても、勉強してるにしても、集中してるだろうから、邪魔はしたくない。
私は静かにドアを閉めて、ほんとは委員の人しか入れない、裏の部屋に行く。
今日は、さくちゃんがいる日だから、入ってもいいんだ。
ドアをノックしてから、
「お邪魔しまーす」
と声をかけて部屋に入る。
「ん、未空ちゃん。どうしたの、こっちまで来て」
中には、さくちゃんだけしかいなかった。
「中に誰かいたみたいだったから、久しぶりにこっち来ようかなって。
それより、委員の子は今日はいないの?」
「あ〜、さっき、今日は用事があるのでごめんなさい! って言って帰った。
今日もどうせ人来ないと思って、帰しちゃった」
カーテンの隙間から静かに覗くと、勉強しているのは白石くんだった。
「さくちゃん、白石くんだ。
なんでもできると思ってた…」
さくちゃんにそう言うと、さくちゃんは驚いた顔をして、
「たまに来てギリギリまで勉強して行ってるよ?」
と言った。
「でも、大体こっちにいたのかな」
「確かにそうだね。未空ちゃんは人がいるとこっちに来るもんね」
確かに、人のいる気がすると、毎回こっちにいるかも。
