奇跡を起こして、願いを叶えて。


放課後、私たちは一旦家に帰って、普段着に着替えてから近所のカラオケで集合する。

白石くんの好きな服で行きたいとも思ったけど、そんなの知らなかったから、ちょっと大きめの半袖Tシャツと、ジーンズのショートパンツにした。

自分の好きな、動きやすい服。

こんな大人数で遊ぶのなんて久しぶり。

家帰って、準備ができたらすぐに集合ってことだったから、ほんとにすぐ出たら、カラオケの前には誰もいなかった。

うちは、そこのカラオケから結構近いから、まあ普通だとは思うけど。

10分くらい、スマホをいじって待っていたら、誰かが歩いてくる足音がした。

顔をあげると、歩いてきていたのは白石くん。

白石くんは、まっすぐ前を見て歩いてきてたから、ばっちり目が合っちゃった。


「やっほー、穂高さん!」

「やっほー! 早いね、白石くん」

「歩くの早いのかも?」


白石くんは『ふっ』と笑ってそう言った。

その笑顔はやっぱりいつも通りかっこよかった。

それから5分くらいしたら、どんどんみんな揃ってきて、10分後にはもうカラオケの中にいた。

夏希はノリノリで歌ってるけど、私はそういうのが苦手なので、最初から歌う気はなかった。

でも、秋野さんが、私に気を使ってか、


「未空ちゃん、何歌う?」


って聞いてくる。


「歌うの苦手だからいいよ」


と、やんわり断ったあと、ドリンクバーに行くために席を立った。

メロンソーダをいれていると、後ろから肩を叩かれた。

振り向くと、そこには知らない男の人が二人。


「あの、なんですか?」

「可愛いじゃん。俺たちのとこ来ない?」


アニメとかドラマで見るような分かりやすいナンパ。

けど、自分が仕掛けられるとは思ったことない。

こういう時ってどうすればいいの?


「ごめんなさい。友達と来てるんです」


とりあえず断っといた方がいいよね。

なのに、金髪の派手な方が、私の手を掴んで引っ張ろうとする。


「そんなこと言わずにさ、ほら」


あ、ヤバい。

そう思った時、後ろから腕が伸びてきた。