向かったのはいつもの屋上。 ―――ギイィ 10月の涼しい風と、オレンジ色に染まる鮮やかな夕焼けがとても綺麗な空。 なんだかいつもより気まずさが漂う。 な、なにか話さないと… 「い、一ノ瀬すんごい速かったね!私びっくりしちゃったよ。」 「…負けは負けだ。だっせぇな俺。」 なんだからしくない、落ち込んで下を向く一ノ瀬。 こいつも落ち込んだりするんだ。 「そんなことないよ。…かっこよかったし?」 少し照れ臭くなった私は、必死に恥ずかしさを隠すように視線を逸らした。