そのまま彼は私の最寄り駅まで送ってくれた。
「ありがとう、もうここで大丈夫だから」
「お前さ…まだあいつの事好きなわけ?」
「あいつって、春斗先輩のこと…?」
「…他に誰がいんだよ」
私はこの時、きっぱりと否定する言葉がでてこなかった。
『陸上に集中したいから、今は彼女はつくりたくないんだ』って振られてから早3か月。
まさかアルバイトしてるなんて思ってもみなかった。
さっき帰り際に、『もう引退したから、暇で始めてみたんだよね』って爽やかな笑顔で先輩は言ってたけど。
久しぶりの再会に胸が高鳴ってしまった…。
顔も性格も、やっぱり完璧な優しい王子様だ。
それに私の…初恋だもん。



