まさか先輩がここでバイトしてたなんて…知らなかった。
先輩は手慣れた手つきで、受付のタッチパネルを操作しながら口を開いた。
「久しぶりだな、鈴野!元気だった?」
「あ…はい!元気です。」
私はちょっと気まずそうに返事をした。
なんてったって、振られてますから…。
だけど先輩は全然そんなそぶりはみせずに、話しかけてくれたのだ。
「…おい、いくぞ柚葉」
受付を済ませた私は、一ノ瀬に声をかけられた。
去り際に一ノ瀬は先輩の顔を、横目で睨んでいた気がしたけど。
「もしかして、柚葉ちゃんの振られた先輩ってあの人?♪」
「…うん」
そんな面白がって聞いてくんじゃないよ、浅井くんよ。
まぁ、笑ってくれるだけまだいいとしよう。
「うわぁ、気まじぃやつじゃん!てかあの松永先輩ってモテるで有名「もういいだろ、そいつの話は。おい宏太歌え」
~♪
いつの間にか予約されていた曲が流れ、「お、俺の十八番じゃん♪」とかいいながら浅井くんは歌いだした。
切り替え早すぎて、羨ましい限りですわ。
どうかその能力、私にも分けてほしいよ。



