俺様王子と空とキス。


キャッキャと笑っている3人組の声が、徐々に遠くなっていくことに、血の気が引いていく。

「ねぇ、嘘でしょ…
だれか!だれか、開けて!開けてください!!」

食品庫の扉はかなり分厚い。

叫んでみても扉を叩いても、目の前に誰かいない限りは聞こえないだろう。

そうだ、スマホ…愛美か一ノ瀬に連絡しよう。

私は浴衣のポケットに慌てて手を入れた。

「うわ、持ってきてなかったんだ…」

自販機で買ったら部屋にすぐ戻るつもりだった私は、スマホもない状態。

どうしよう、どうしよう。

30分すれば開けに来るとか言っていたけれど、食品庫の中は冷蔵が効いていてかなり寒い。

服装だって、半袖のTシャツにホテルの浴衣を羽織っているだけ。


「……さんむっ…」


まって私、このまま凍えて死んじゃうの?

修学旅行で死ぬとかマジで無理なんですけど…


「…は!…ずは!」

そんなことを考えていたら、なんとなくだけれど、一ノ瀬の声が聞こえた気がした。

私は凍えている体を起こして、思いっきりドアをたたきながら大声で叫んだ。

「開けて!!開けて!玲央助けて!!」