海の家に戻ると、時刻は15時。
16時までにはバスに戻らなければいけない私たちは遅めのお昼ご飯を済ませて、急いで着替えた。
「一ノ瀬くん、柚葉にぞっこんだね♪」
「そんなことないと思うけど…」
愛美の発言に少しだけ照れた私は、バスに乗り込んだ。
あとからバスに乗った一ノ瀬が、私の隣に何も言わずに座る。
彼の口の横の傷が気になって、私は横目で確認するように見ていた。
「なんだよ」
「飲み物飲む時、染みたりしない?」
私は傷が心配になって、彼の顔に近づいた。
「だから大丈夫だっつってんだろ、顔近ぇよ…」
「あぁ、ごめん」
少し照れくさそうにする彼の顔をみていたらこっちまでなんだか恥ずかしくなってきた。
私は恥ずかしさを誤魔化すように外の景色を眺めた。



