「おい」
腕を引っ張られたまま、後ろを振り返った。
そこには手に焼きそばとフランクフルトを持つ、一ノ瀬の姿が。
後ろから男性をものすごい勢いで睨んでいる一ノ瀬は、手に持っている食べ物を全部浅井くんに渡して、こっちに近寄った。
「その手、離せっつってんだろ」
「は?年上にむかってなんだよ、その口の聞き方は」
「きったねぇ手で、そいつのこと触んなって言ってんだよ」
両方とも睨み合いながら、少しの間だけ沈黙が続いた。
やっと手を離してくれた男性が、去り際に言葉を放つ。
「こんなブスに興味ねぇよ」
去っていく男性に安心した私は力が抜けた。
はぁ…よかった。



