「ねぇ、下ろしてよ…」
「わかった」
下された私は、海の中で足がつかず溺れかけた。
「ブ…ッファ…!」
「ほらな、俺がこうしてないと溺れんだろ」
一ノ瀬は、溺れた私の体を再び抱き寄せた。
「あのさ、ちょっと恥ずかしいんだけど」
「いいからつかまってろよ…」
赤らんだ顔を隠した私は、密着する一ノ瀬の心臓から、バクッバクッと速くなる心臓の鼓動の音が聞こえた。
もしかして、ドキドキしてくれてる?
ふと一ノ瀬の顔を見ると、頬はほんのりとピンク色に染まっていた。
私が思っているよりも、コイツって割とピュアなのかな。
そんなことを考えながら、一ノ瀬の顔をじっとみつめていると、目があった。
「…なんだよ」
「え?あぁ…なんでもない」
私たちはお互いに赤らんだ顔のまま、目を逸らした。



