俺様王子と空とキス。



−−キィイ−…

今にも取れそうな錆びている屋上の扉を開ける。

「ねぇ、私授業出るつもりなんですけど!」

「この間もここにいたじゃねーかよ、今更おせーよ」

「いやあの時は、その…」

その『あの時』と同じ場所に座る一ノ瀬。
そうだ…ここでキスされたんだっけ、私。

「振られたからだろ、あの先輩に」

「な、なんで知ってんの!」

「廊下で告ったりするからだろ、見えてたし」

「あぁ……」

人生で初めての告白を決意した私は、告白といったら廊下?校舎裏?と色々悩んだのだけど…

ちぇっ。

ちゃんと周りに誰もいないの、確認したのに。


「てかあんた単位大丈夫なの?」

「おい、名前で呼べっつってんだろ」

「……玲央は単位大丈夫なの」

なぜこんなに名前で呼んで欲しいのか、私には理解できなかった。…本当俺様。


「俺の能力が最強すぎて、授業なんか受ける価値もねぇ」

そうだ、コイツはイケメンな上にスポーツ万能、おまけに成績もいいんだった。


「あのさ、そんなにモテるなら私じゃなくてもよくない?」

「は?」

私の言った一言に何か気に障ったのか、少しずつ近づいてくる一ノ瀬。

「お前は黙って俺のそばにいろ、行くぞ」

私の髪の毛をクシャッとなでたあと、一ノ瀬はそのまま手を繋いできた。

答えになっていない彼のセリフは、少しだけ私をドキッとさせた。