俺様王子と空とキス。




〜♪ キーンコーン カーンコーン

お昼休み。

こんなにお昼休みが憂鬱になる日が来るなんて、入学当初の私なら思いもしなかっただろう。


「柚葉学食いこー」

「う、うん」

今ならアイツはまだ来ていない。

廊下に一ノ瀬がいない事を確認した私は、愛美と教室を出ようとした。

「おい柚葉」

背後から聞こえる声にゆっくりと振り向く。

「学食、行くぞ」

「あ、そっか♡行ってらっしゃ〜い♪」

「いやいやいや、ちょっと愛美…!」



強引に腕を引っ張られ、無理やり学食に連れられた私は、券売機の前にたどり着いた。

ズボンのポケットから財布を出した一ノ瀬が口を開いた。

「何食う?」

「え?奢ってくれんの?」

「俺そんな貧乏じゃねーし」

「えー?ありが…」

ラッキーとおもいながら、お礼を言おうとした私は考えた。

ここでもし仮を作ったら、またなんか頼み事されるんじゃ…

そう思ったわたしは、慌てて自分のお財布をだした。

「は?だからいいっつってんだろ」

「いや、ここは自分で」

「いんだよ!俺が出すつってんだろ、気持ちよく奢られとけ」



一ノ瀬は、そう言いながら5000円札を券売機に入れた。