「あっ、でも、できたら、ひよりちゃんには謝ってね。それと、噂が完全になくなるのはすぐじゃなくてもいいから。」
噂が広まってる範囲によっては、完全に消すのにはそれなりの時間がかかる。
「わかりました。ありがとうございます。そして、本当にごめんなさい。」
そう言って頭を下げる相沢さんは、最初の可愛い笑顔と同一人物に見えないくらいに、小さく見えた。
「でも、普通に仲良くしてくれた方が嬉しいな。」
私がそういえば、弾けたように顔を上げる。
きっと、断られるんだろうな。
「恐れ多くて、そんなこと出来ないです。」
今まで、会長という立場を使って近付いて来ることはなかった。
それは、相沢さんの根がいい子な証拠。
普通なら、グイグイ来てもおかしくないのに、みんなと同じ位置にいる。
「それは残念。じゃあ、時間取らせちゃってごめんね。」
あえて、またねも、バイバイも言わない。
言い逃げのように、その場から離れる。
早く、優人のところに行かなきゃ。
少し、日が傾き始めてるし、きっと暇そうに待ってるだろうし。
