完璧な私が完璧じゃなくなるとき



今日だけは、走るの苦手じゃなくて本当に良かったって思う。

手すりを掴みながら、駆け下りていく。

こんなに走る必要なんて、無いかもしれないけど、最悪の可能性はなくしたい。

私と一緒にいて、ひよりちゃんが被害に遭うのは、許せない。

これは自己満足。

私が満足したいだけ。

私のせいじゃないって思いたいの。

それがわかるまでは、急いだっていいよね。

靴を履き変えて体育館裏を目指す。

近付いてきたし、足音がバレないためにも、スピードを落とさなきゃ。

そう思った時だった。

見えたのは、よろけて転びそうになるひよりちゃんと突き飛ばしたような誰かの手。

えっ…?

何が起こってるのかは分からない。

だけどあのままだと転んじゃう。

頑張れば、ギリギリ間に合うかもしれない。

それなら、走るしかない。

疲れたなんて関係ない。

ひよりちゃんが怪我する方が嫌。



ドンッ──────────。



受け止めれたのか、ただぶつかったのか。

すぐには判断できなかった。

ただ、私もその勢いで倒れたことだけはわかった。