「佐野さん!下の名前なんて言うの?」
授業終わりに突然話かけてきたのは、成本さんだった。
「美琴だよ。美しいにお琴でみこと。」
「見た目はすんごいお人形さんみたいなのに、名前は綺麗系なんだね!」
すごい笑顔で言うけど、受け取り手に寄っては悪口では…?
「名前負けしてるよね。」
「違うよ!お人形さんみたいな見た目と綺麗な名前。素敵じゃない?」
成本さんはすごくいい笑顔。
そう言ってくれるのは嬉しいけど、視界の端で、優人の吹き出してるとこが映る。
何笑ってるのよ…。
「そう言ってくれて嬉しい。」
頬を緩ませながら言えば、騒ぎ出す成本さん。
それを見てパレないように笑う優人。
「そこの君は笑いすぎじゃない?」
優人に物怖じせず話しかける人、初めて見たかも。
「…気を付けるわ。」
「あ、すごいイケメンさん。でもごめんね。私女の子の方が好きなの。」
あ、優人、すごいなんとも言えない顔してる。
「優人振られちゃったね?」
「え、美琴ちゃん。この人と仲良いの?」
「幼なじみだよ。佐原優人。」
自己紹介する気のない代わりに、私が言う。
