『もう、好きじゃないことにした』

***

新幹線の中。

私は窓の外を眺めながら、スマホを開いた。

蓮から一通だけメッセージが届いていた。


『そのままでいいから、ずっと好きだよ。』


目から涙が落ちた。

そして。

震える指で返信した。


『……私も、まだ好き』
そこまで入力して、指が止まった。

送ってしまったら、きっと蓮は私を引き止める。


離れたいと思っているのに。
これ以上、蓮を苦しませたくないのに。

私はしばらく画面を見つめたあと、
ゆっくりと文字を消していった。

そして、代わりに打ち直す。

『……体に気をつけてね』

何度も読み返してから、送信した。

既読がついた。

すぐに返信が来る。


『ありがとう!それは莉央もだからね』


その一言に。

私は泣きながら笑った。



――まだ、終わっていない。





でも。

二人が本当にもう一度一緒になるまでには。

まだ、越えなければいけないものが残っていた。