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数日前
仕事の帰り
いつもの待ち合わせの時間になっても
莉央と連絡が取れなくなった──あの数前の日。
『ごめんね』
と一言だけ届いたメッセージに
嫌な予感がして、夢中で莉央のアパートへ走った。
あの時は――
暗い部屋で一人膝を抱えていた莉央を
見つけることができた。
「ごめんね……
スマホの充電が切れて
動けなくなっちゃってただけなんだ」
そう言って不安そうにうつむく莉央を
夢中で抱きしめて、「良かった」と心から安堵した。
――でも、あの日は始まりに過ぎなかった。
それからの数日間、
莉央はどこか遠くを見つめていることが増えた。
何か悩んでいるのは明らかだった。
「莉央、何かあった? 俺で良ければ話してほしい」
優しく問いかけても、
莉央は困ったように微笑んで
「なんでもないよ」
「ホントに大丈夫だから」と首を振るばかり。
莉央の気持ちを一番に考えたいからこそ、
無理に聞き出すこともできず、
「莉央がそう言うなら」とそれ以上踏み込めなかった。
莉央を想っているつもりで、
俺は一番大事なことから目を背けていたんだ。
