『もう、好きじゃないことにした』

 


ある日。



莉央は蓮に連絡をした。

『今日、仕事の後会える?』


蓮は画面を見つめた。

『会える』
とすぐに返事をした。

 






待ち合わせ場所はいつもの三つ葉公園。


既に莉央が時計台の下にあるベンチで待っていた。

「莉央!待たせてごめん!」
「大丈夫、私も今来た所だから。」
「はぁ、そっか、よかった」



「……あのね、蓮」

「ん?」



「私ね」

「うん」



「やっぱり、まだ怖い」
「……うん」

「でも」

莉央が泣きそうに笑う。


「もう一回だけ、信じてみたい」



蓮の胸がいっぱいになる。

「……本当に?」
「うん」

「後悔しない?」
「分からない」

「そっか」

蓮が笑う。

「じゃあ、一緒に後悔しないようにしよう」


莉央も笑う。

「……うん」

そして。

莉央が小さく言った。

「蓮」
「ん?」

「私も……好き」

蓮は目を伏せた。

「……それ、反則」
「なんで?」


「襲いたくなるから」
「え?」

蓮は笑いながら、莉央にキスをする。
何回も角度を変えて今までの思いを
証明するかのように優しく口づける。


「三年分の俺の思い…わかってくれた?」

莉央も泣きながら笑う。

そして、コクっと頷く。



「……これからは、ちゃんと言ってね」
「何を?」
「好きって」
「毎日言う」
「毎日は多い」
「じゃあ朝昼晩」
「もっと多いよ」
「じゃあ会うたび」
「……それならいい」

蓮が笑う。

「好き」
「……私も」
「大好き」
「……私も大好き」


三年かかった。




遠回りして。


二人とも、同じ気持ちだった。

 











――ずっと、好きだった人が今日から彼氏になります。