翌日。
莉央は何度も
スマホを手に取っては、
画面を消した。
気にしないようにしようと思っても、
頭に浮かぶのは
この前、蓮と一緒にいた
女の人のことばかりだった。
しばらく迷ったあと、
莉央は意を決して蓮に電話をかけた。
プルルル……プルルル……
一度目のコールが鳴り終わる前に、
電話が繋がった。
「……もしもし?蓮」
『どうした? 急に電話して』
蓮の声を聞いた途端、
聞くつもりだった言葉が
少しだけ言いづらくなる。
「……あのさ」
少し間を置いて、
莉央はなるべく
何でもないことのように口にした。
「昨日の女の人、誰?」
『え?』
「一緒にいたよね」
『ああ』
蓮は笑う。
「あれ、姉貴」
「……え?」
「久しぶりに会って
彼氏のプレゼント買うために
連れ回されただけ」
莉央は固まる。
「……そうなんだ」
『何?』
「別に」
「……」
蓮は少し笑った。
『嫉妬した?』
「してない」
『してるじゃん』
「してない!」
『絶対顔赤いでしょ?』
「…うるさい!
じゃあもう切るね、!」
『ん、』
プツッ
蓮は嬉しかった。
まだ。
莉央の中に
自分がいる。
そう思った。
でも。
莉央は
違った。
(……私は、
いまだに
こんなことで傷つく)
それが嫌だった。
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