ガチ王子の友達教育係になりました。



 彼はお弁当を階段に置いて、突然立ち上がった。

 え、自己紹介のためにわざわざ?

 そんな、私との会話なんてテキトーでいいのに……。



 「僕は1年8組21番、月城(つきじょう)神楽(かぐら)だ」

 「へえ~月城くん…………て、え、あの!?」



 やっと思い出した。


 彼はどっかの大企業の御曹司と有名な、月城神楽だ。

 だからお弁当が豪華なのか……。

 話すのはもちろんこれが初めてだけど、超有名人だからそういう情報に疎い私でも存在くらいは知っている。



 「ところで君……細松くんは、昼食をとる場所を探しているという話だったが。ここはどうだ?」

 「はい?」



 まずい、びっくりして失礼な返事をしてしまった。今日初めて話した人に。



 「君さえよければ、ぜひ。困っていたんだろう」

 「あ、はい……では、お言葉に甘えて。ありがとうございます」

 「かまわない」



 と、御曹司月城くん……なんて馴れ馴れしく呼んでいいのかわからないけど、なんだかあっさり2人でのランチタイムが決定してしまった。