私が、お父さんに会いに行くと言ってから、カイくんは『ちょっと出てくるから。』と、出掛ける事が多くなった。


私はと言えば、ただ
ボォ~と何をするでもなく、カイくんの優しさに甘えていた。


何も知らずに…


そう、私は何も知らなかった。

健が、やっちゃん、タクト先輩が、
私のためにしてくれていた事なんて……。