一睡も出来ないまま、
締め切ったカーテンの隙間から洩れる光で、朝を迎えていた事に気付いた。


虚ろな眼差しで、窓のカーテンを開けると、眩しい光が目に飛び込んできて、夕べから降り始めた雪が、一面の銀世界を作り上げていていた。

宝石を散りばめたみたいにキラキラ輝いて綺麗…

なのに切なさが込み上げてくる。

カーテンを掴んでいた手に思わず力が入る

健……


そっと窓を開けると、
晴れて澄んだ冷たい空気にぶるりと身震いした。

でも寒いのは、きっと外気のせいだけじゃない…