「そっか…
でも、矢萩の見た目にこだわらないで、本当の矢萩を分かってくれる奴絶対いるから、
それにはまず自分からも少しずつ殻を破って変わろうとする気持ちが大事だと思う。

暇な保健の先生が、いつでも相談のるぞ。」

先生が頭を掻きながら、また嬉しい言葉をくれたので

『はい!』と久しぶりに笑みが零れた。


微かに夏を感じさせる暖かな風が気持ち良く頬をかすめた。


私を見つめる、先生の眼鏡の奥の瞳に、柔らかな陽射しが当たり、その艶っぽさに私の心臓はドキリと跳ね上がった。