寮まで先生が、ゆっくり歩いてくれたけど、
何処を歩いたらいいのか分からず、後ろを歩いていた。


先生はたまに足を止めてこっちを見る

恥ずかしくて思わず私も足を止める。

そしたら先生が、私の所まで来たので、驚いて固まっていたら、優しく私の手を取り、少し微笑んで先生の上着の裾を掴ませてくれ歩き出した。

それが何だか嬉しかった。

歩きながら先生が

「矢萩、眼鏡はずせるようになるといいな…」

急に言ったのに驚いて
「え?」って聞き返したら今度は、

「心の楯いらなくなるといいな」

と先生は言った。


どういう意味かな?

何て言えばいいのか分からず、私は無言のまま歩いていた。