あれから季節は流れ、
もうすぐ健と出会った、
桜が咲き誇る暖かな美しい季節が、またやって来る。


私達は、大きな体育館で卒業式を迎えていた。

健にとっても保健医最後の日、感慨深げに式に臨んでいるみたい。

式も終盤になると、定番の音楽と共に、あちこちから啜り泣く声が聞こえてきて、私もその中の一人。堪え切れず泣いてしまった…。


式が終わり、先生も立ち去ると、静かだった教室が一気にガヤガヤとし始める。

笑ったり、啜り泣いたりする声が入り混じり、
皆思い思いに写真を撮ったりしている。

そんな光景を見ながら
健と出会って、大嫌いだったこの紫がかった髪も
ブルーグレーの瞳も、
綺麗だって言ってくれた…

これが私なんだと、
思える様になった。


驚くほど色んなことがあって…
劇的に変わったこの一年を振り返り、
ウルウルしている私の頭を撫でてくれているやっちゃんを見て余計泣けてくる。