初恋愛 ~ブルーグレーの瞳~

起き上がり自分を見つめている私を見ると、肩を撫で下ろし、ハァ~と大きく息を吐いて

「無事なのね…」

そう言っていつもと違う少し取り乱した彼女に、私はどうしたらいいのか分からず、慌てて視線を逸らし、俯いて、
素直になれず

「…らしくない、そんな髪乱して…」

ボソボソ言うのが精一杯

彼女は、『え?あ、あぁ…』と、慌てて髪を弄っていた。

そんな彼女を私は横目でチラリと見ながら

「…色々、御免なさい…
それから…有り難う。
産んでくれて…

お母さん。」

凄い照れ臭かったけど、言えて良かった。少し笑みが洩れる。

お母さんは、私の言葉が思いがけなかった様で、手で口元を覆い、大きな瞳に涙を一杯溜めて

「うっ…嬉し…いっ…。

凛…御免ね…
こちらこそ、生まれてきてくれて有り難う。」

声を詰まらせながら言うと、ニッコリと微笑み、
その頬に一筋の涙が零れ落ちた。